【みちびき】(準天頂衛星システム)とは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムのことで、英語ではQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)と表記します。
 【みちびき】は、海上保安庁が運用していたDGPS(Differential GPS)が、2019年3月に終了したため、2018年11月に4機体制でサービス開始されました。どちらもGPSの測位精度を向上させる補強システムですが、みちびきは衛星ベースの先進的なDGPSの代替・進化版として位置づけられます。DGPSは地上局からの補正情報を活用する伝統的な手法でしたが、みちびきの実用化により日本国内でDGPSの運用が終了し、みちびきがその役割を継承しています。


みちびき紹介映像(2025年版)内閣府

【みちびき】は下記の3つのサービスがあります。

◆ 衛星測位サービス(GPS補完サービス)
  みちびきからGPSと同一周波数・同一時刻の測位信号を送信することにより、GPSと一体となって使用し、
  安定した測位をすることができるサービスです。
  
◆ SLAS(サブメータ級測位補強サービス)
  衛星測位による誤差を減らすため、電離圏遅延や軌道、クロック等の誤差の軽減に
  活用できる情報(サブメータ級測位補強情報)をみちびきから送信します。
  

◆ CLAS(センチメータ級測位補強サービス)
  高精度な衛星測位を行うため、国土交通省国土地理院が全国に整備している電子基準点のデータ
  を利用して電子基準点を用いて補正情報を計算し、現在位置を正確に求めるための情報
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みちびき
サービス名
信号の
種類
周波数 (MHz) 内容・機能

オープンスカイ
での
受信精度

利用方法・備考
衛星測位サービス
GPS補完サービス




L1C/A, L1C/B, L1C, L2C, L5 L1: 1575.42
L2: 1227.60
L5: 1176.45
GPS互換の測位信号を送信。都市部での衛星捕捉を改善し、基本的な位置情報提供。
SBASのWAAS【アメリカ】及びEGNOS【欧州】は、現在は主にL1で運用されています。

L1のみ受信
2.5-5m

さらにL5受信

0.5-1.5m

スマートフォンやカーナビなどで標準利用可能。L1C/Aは6号機以降停止予定でL1C/Bへ移行iD。

L1はGPSの基本信号で、ほとんどのスマートフォンやGPS受信機で利用可能です。一方、L5はGPSの近代化プログラムの一環で、干渉耐性が高く、安全クリティカルなアプリケーション(例: 航空機着陸支援)向けに設計されています。L1とL5を組み合わせることで、電離層による誤差を計算・補正し、測位精度を1m以内に向上させることが可能です。

GARMIN魚探
の対応

L1信号対応   オープンスカイでの衛星測位誤差約3m程度(衛星測位誤差3.0m) 
全てのGARMIN魚探が対応
L5信号対応 オープンスカイでの衛星測位誤差約2m程度(衛星測位誤差1.82m) 
ECHOMAP ULTRA2 162sv ECHOMAP ULTRA2 122sv    ECHOMAP ULTRA2 102sv
echoMAP UHD2 92sv  echoMAP UHD2 72sv  echoMAP UHD2 62sv  echoMAP UHD2 52cv  

SLAS
サブメータ級
測位補強サービス



 
 

    

L1S 1278.75 GPS誤差補正情報を放送。サブメータ級の精度向上を実現。災害・危機管理通報も兼用。

1.0m未満

対応受信機でリアルタイム補正。無料で利用可能。アジア・オセアニア地域対応。

L1SはQZSS(SLAS)の補強信号(SBAS)です。
QZSSはGPSを補完し、特に日本上空での精度向上を目的としています。

SBAS(Satellite-Based Augmentation System)は、衛星航法補強システムの略称です。これは、GPSなどの既存の衛星航法システム(GNSS)の信号精度を向上させ、信頼性を高めるための補強システムです。地上局でGNSS信号の誤差や異常を監視し、静止軌道衛星を通じて補正情報や警報をユーザーに配信します。

GARMIN魚探
の対応
具体的な対応機種は確認できていません。

ガーミン魚探専用ヘディングセンサー
acroシリーズ(校正済) 
小型・軽量・高耐性・防水タイプ 
9軸10Hzヘディングセンサー
GNSS レシーバー

    acroGSR
「NMEA0183接続」
 acroGSR2000
 「NMEA2000接続 ネットワーク非対応」
 上記の2機種は、みちびきのSLASに対応しております。

CLAS
センチメータ級
測位補強サービス



L6D, L6E
(L6信号経由)
1278.75 高精度補正データ(MADOCA-PPP方式)を放送。センチメータ級測位と信号認証を提供。 6〜12cm
(静止体)
12〜24cm
(移動体)
静的/動的測位対応。測量・自動運転などに適し、無料。L6Eで2000bpsのデータ配信。
L6はQZSS(CLAS)の補強信号(オージメンテーション)です。
QZSSはGPSを補完し、特に日本上空での精度向上を目的としています。

GARMIN魚探
の対応

全てのGARMIN魚探で非対応です。
L6は主に測量・自動運転向けの高度な補強信号のため、マリン製品では限定的です。


GARMIN魚探は、【みちびき】を受信できています。

 早期の 【みちびき】7機体制
 
日本上空に常時4機以上の衛星を確保し、みちびき単独での高精度・持続的な測位を実現します。 7機体制は、準天頂軌道(QZO)、静止軌道(GEO)、準静止軌道(IGSO)に衛星を追加配置し、アジア・オセアニア地域のサービス範囲を拡大します。
 準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」の7機体制が確立すれば、他のGNSS(GPSなど)に依存せずに、みちびき単独で正確な測位が可能となります。

7機体制の最終構成

軌道タイプ 機数  役割
準天頂軌道
(QZO)
 4機  日本上空の長時間可視性確保(例: 東京上空でほぼ1日滞空)
 静止軌道
(GEO) 
 2機  アジア地域の広域カバー
 準静止軌道
(IGSO)
 1機  補完的な範囲拡大

 

 2025年12月22日打ち上げられたH3ロケット8号機は、打ち上げ失敗に終わりました。
これにより、搭載されていた準天頂衛星「みちびき」5号機(QZS-1R、SVN=005)は予定軌道に投入できず、
今後、7機体制での運用に遅れがでることになります。


 

2026年1月2日現在、準天頂衛星システム(QZSS、「みちびき」)の運用中衛星は5機です。

衛星名称 愛称 PRN番号 SVN番号 備考
QZS-2 みちびき2号機 194 002 Block II-Q、準天頂軌道 (QZO)
QZS-3 みちびき3号機 199 003 Block II-G、静止軌道 (GEO)
QZS-4 みちびき4号機 195 004 Block II-Q、準天頂軌道 (QZO)
QZS-1R みちびき初号機後継機 196 005 Block IIA-Q、準天頂軌道 (QZO)
QZS-6 みちびき6号機 200 007 Block III-G、静止軌道 (GEO)