登山もシーカヤックでも事前の下調べはとても大切です。
行動計画を紙面に記すことがはじめの第一歩となります。
 それから実際の活動となります。
最後に、活動を振り返り検証します。

① 計画
② 活動
③ 検証

 この一連の流れを繰り返すことで、階段を昇るのように
一歩一歩、経験が蓄積されていきます。

 ガイドツアーは、②の活動を安全に楽しく行うことが
ゲストにとってもガイドにとっても、最大の目的となります。
 
 その上で、ガイドツアーにも①の計画と③の検証をさりげなく入れることができれば
新鮮な感覚が湧いてくるかもしてません。

 グループや個人で活動される方は、事前計画と検証を繰り返す
ことによって、活動の幅が広がります。
 [計画 – 活動 – 検証]の継続は、大きな力になります。

 そして、②の活動があまりうまくいかなかったときこそ、③の検証が生かされてきます。
我々ガイドが行うところのヒヤリハットの共有もその一つです。

 【ハインリッヒの法則】は、あらゆる業種の講習会で学ぶ機会もありとても有名な法則です。
【スイスチーズモデル】と呼ばれるものがあります。
  事故はいくつかの要素が重なり合い発生するという考え方です。

 山岳ガイド協会の講習会で、『不可抗力の事故などありえない』と何度も聞きました。
まだそこまでの領域には達していないと感じていますが、絶対に事故は避けなければなりません。

 そのためには、一番大切なものは余裕でないかと最近感じています。

 安全管理上必要な余裕とは、

 ◆ 時間の余裕
 ◆ 人員配置の余裕(ガイドレシオ)
 ◆ 天候の余裕
 ◆ 経験の余裕
 ◆ 技術の余裕
 ◆ 装備の余裕
 ◆ 心の余裕
 ◆ 精神的な余裕
   etc

  ガイドツアーに、これだけの余裕があれば、ゲストにはひょっとしたら面白みに欠けるかもしれません。
 というこは、何かエンターテインメント的なものがないといけません。
  エンターテインメントは本来、ガイドツアーに絶対必要な要素です。

 2月に登った南アルプスは、何事もなく下山してきましたが、いろいろと考える機会になりました。
つまり、「②の活動があまりうまくいかなかったとき」ということです。

 ところで、昨今の登山事故の多さに目を見張ります。
特に冬山での滑落事故が多いようです。
 先日登った甲斐駒ケ岳も滑落のリスクが高い状態でした。

りんどう山の会 カテゴリー (山の遭難・事故)
 昨今、シーカヤックでも重大事故が複数発生しています。
平戸島には、多くのカヤックアングラーが訪れていますが、登山でいえば日本アルプスの中級以上
のフィールドといえるのかもしれません。

 山も海も日々刻々と様相が変化していきます。
今日問題なかったので、明日も大丈夫とは限りません。
 ほんの数分で全く異なった状態にもなりえるのが自然界です。

スイスチーズモデル