平戸でシーカヤックガイド業を創業して1年を経過して、夏のシーズンを2回経験しました。
これまで、いろんな機関のご支援とご協力があって現在に至っています。

 2010.8.25の西日本新聞に、平戸市川内町の千里ケ浜海水浴場(鄭成功記念公園)の記事が
掲載されていました。
その中に、平戸市の『シーカヤックなどの海洋レジャーの拠点として利用を促進したい。』
いうコメントが掲載されていました。

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 千里ケ浜に艇庫を置いている平戸カヤックスとしては、このコメントには本当に感謝申し上げたいと思います。

 これまで、シーカヤック、登山のガイド業で、長崎県、平戸市、佐世保市、対馬市の行政と関わってきました。
特にシーカヤックのガイド業については、平戸市の地域住民の方々や関係機関に受け入れていただきたいという
思いが常にありました。そのため、自分なりに懸命に信用を得るために努力してきたつもりです。
 そのような中で、7月に黒田市長様に千里ケ浜でシーカヤックの体験をしていただき、その模様を広報「ひらど」に
掲載していただいたことと、今回の新聞記事はとてもうれしいできことでした。

 今、日本各地で自然体験、エコツアー、グリーンツーリズムといった言葉が使われています。
シーカヤックガイド業にかぎらず、山岳ガイド業などを仕事にすることを批判するような方もいらっしゃいます。
一方で、エコツーリズム推進法が施行され、行政が地域の活性化と雇用創生を目的に盛んに、補助事業を
実施しています。
 しかしながら、一部の地域(北海道のニセコ、群馬県の水上村、沖縄県、関東圏内地区 等)や一部の有名なガイド
を除けば、いわゆるアウトフィッターという方々は、生活できればという水準の方々が多いようです。
 私が所属する日本山岳ガイド協会の設立にあたっても大儀は、『ある一定の技術レベルを持ったガイドを認定して
、ガイド登山の安全を図るとともに、安全登山の普及啓蒙。』ということになるとは思いますが、その背景には、『ガイドの
社会的地位を高め、生活の安定を図る。』ということもあったのだと思っています。

 エコツアーの定義を皆様ご存知でしょうか。
エコツアーとは、観光客が地域の自然、歴史、文化を体験するのみではなく、そのことによって地域に経済効果がもたらすことを
意味しています。
エコツーリズムとは(参照 日本エコツーリズム協会

 沖縄のマリンレジャー、屋久島の登山ガイド、北海道ニセコのラフティングなどは、地域の産業となっています。
それらの地域に共通することは、その実践者がまだ働き盛りの若い方々だということです。つまり、ガイドすることで、生活ができ
家族を養い、その仕事に夢が持てることが必要だということです。
 また、そのような環境が整わない限り、本当のエコツーリズムの確立はありえないと考えています。
もう一つこれらの地域に共通することは、エコツーリズムという考え方や法整備、行政支援がなかった時、また全くなくても、地域の産業
として認められていたと思えるところです。

 国内の山々をフィールドとしている登山ガイドと平戸に艇庫を置いて、平戸の海を中心にガイドを行っているシーカヤックガイドとは、やはり
考え方が異なります。もちろん、自分自身がガイド業を生業として確立することは、もちろん、正業として認めてもらえるためには、地元平戸での
ガイドの育成つまり、シーカヤックガイドとして、家計を支えることができる人材を育てることだと考えています。
 そのためには、せっかく整備された法律ですので、エコツーリズム推進法海洋基本法の第28条の理念に基づいた活動を行うことが大切だと考えています。

 学校教育体験及び子ども会(小学、中学、高校)での経験を通じて、シーカヤックなどのアウトドア活動に興味を持った平戸の子供達が、いったん
平戸を出て、国内にとどまらず世界を経験、その上で、地元平戸のエコツーリズムに関わるような若者が出てくることを願っています。また、その手助け
ができればと考えています。
 平戸でシーカヤックをはじめとした自然体験を担うプロ集団となることを平戸カヤックスは、目指しています。

 そのためには、自らがアウトドアの実践者であることがとても重要です。
ということで、シーカヤックによる平戸からの五島へのシーカヤック遠征、九州一周なども計画しています。
これは、何年も前から計画のみしており、いろんな事情がありやり遂げられなかったことですが、国内でも多くの方が
同じような活動やさらにハードな活動をやり遂げていらっしゃいます。
 また、一登山者としても、自らの登山の継続も必要です。
この2年あまり、日本アルスでの登山を経験していません。この秋に久しぶりに、北アルプスへ出向きます。
 そして、冬も登ります。そろそろ、八ヶ岳から北アルプスの冬季縦走への転換時期だと思います。
とりあえず、久しぶりの登山なので、この2年ほど計画倒れに終わっていた中房温泉~上高地~新穂高温泉への縦走登山ですね。
それと、九州自然遊歩道の長崎県だけでも一気に歩きたいと思います。これは、舗装路も多く街中もあるきますので、別の意味で
つらいかもしれませんね。

 指導する立場においても、登山でもシーカヤックでも、「自らが実践者であること、現役であること」がとても大切なような気がします。